宵待草


宵待草
作詞:竹久夢二/作曲:多 忠亮/1913年(大正2年)

編曲:小泉宏

大正時代の画家・竹久夢二の実話から綴られたというこの曲の歌詞を初めて読んだとき、私の中に”浜辺で波と戯れる、恋する女性”がいました。その女性は、竹久夢二の描く女性そのものなのに、映画でもなく絵でもなく、笑い声が聴こえる事もなく、ただ恥ずかしげにうつむき、まるで無声映画のようなシーンが続き、そして曲の終わりには、誰もいない海。
静の中の恋は、叶わぬまま幕を閉じたのでしょうか。
そんな世界観を唄うために私ができることは、ただただ情景を思い浮かべて唄うことでした。
先人の歌にまどわされることなく、MIYAKO Styleで唄う。
童謡、叙情歌などとジャンル的には分類されていますが、子供には分からないオトナの世界が描かれていますよね。
私にできるのは、歌曲にならぬよう、感情を入れすぎぬよう。
レコーディングでは、出だしの部分がとても難しく、数回録り直しをした記憶があります。

3行詞の名曲。
この曲は構成が面白くて、A・Bメロを唄ったあと、Bメロをメロディーのみが繰り返します。
アルバムの中では、ギターが切なくメロディを奏でます。
なんとなく、このリフレイン感が寂しさをかき立てます。

「宵待草」を題材に映画になった時、西条八十が2番の歌詞を書き足したそうです。
ちなみに2番の冒頭は、EXCELLANDのLyuちゃんが、唄っています☆

余談ですが「宵待草」は、戦前の15年の間だけでも、18枚ものレコードとして発売されるほど、一世風靡をした名曲なのだそうです。時を超えて、平成のいま、再び蘇りました。

 

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