アカシアの雨がやむとき
作詞:水木かおる/作曲:藤原秀行/1960年(昭和35年)
編曲:小泉宏
1960年に発売され、ロングセールスを記録したことで、1962年の第13回紅白歌合戦で初披露されました。
1963年、浅丘ルリ子主演『アカシアの雨がやむとき』が封切られ、西田佐知子さん本人も出演していますが、本人の唄う映像が極めて少ないことで有名です。
日米安保闘争の結果に疲れた若者たちに歌われたことで広まっていった、という時代背景もあり、強烈なる印象とともに、人々に記憶されているのではないでしょうか。
水木かおるさんが、パリのイメージで書いたとのことで、そううエピソードを知りますと、なかなかおしゃれなイメージです(が、歌詞は退廃的です。死んでしまいたいとか、抜け殻とか。。ね)
何よりも、タイトルがとてもおしゃれです。
よくCDでは「ジャケ買い」、小説では「タイトル買い」になるでしょうか、そんな感じです。
さて、アカシアの雨って、どんなものなのでしょうか。
聞くところによると、アカシアの花が満開のときにその木の下を通ると、花弁がものすごい勢いで降り注ぐそうです。
その様を唄っているのか、それを心の涙に例えているのか、絶望感と死への希望に救いを求める若者にとっては、壊れかけた心や人間関係を美化したいのかもしれません。
アカシアの花、ネットで調べるとミモザのことであると言っていたり、白い藤の花のようでもあったり。
でも、不思議なことに、この曲のタイトルは無色透明〜グレイのイメージなのです。
さて、レコーディングのお話。
これ、カツ丼を頂く前に歌入れしてて、スランプに陥った歌です。
考え過ぎて空回りです。
誰に怒られるわけでもなく、自覚して自分でダメ出しをして落ち込むわけですから、自分が一番悔しいのです。
初めてライブで唄った時は、もう少しサラッと、簡単に唄っていましたが、いろいろと考えてしまいました。
無心で唄うことが、チカラを抜くことがどれだけ大切で難しいか、痛感しました。
アルバムに収録され、初めて母に聴いてもらった時「私、この歌大好きだったの」と言われました。
「アカシアの雨がやむとき」は、母の娘時代、父との素敵な恋愛時代の想い出の歌なんだなと思うと、キュンとします。
ちなみに、両方ともアカシア〜。左はミモザですが、同種なのかな。