白い花の咲く頃


白い花の咲く頃
作詞:寺尾智沙/作曲:田村しげる/1950年(昭和25年)
編曲:小泉宏

戦後の混乱がようやく収まり始めた昭和25年、NHKラジオ歌謡から発表された楽曲です。
戦前「健全な歌で、国民の音楽文化の啓発を」の目的で始められた国民歌謡が、1940年頃を境に戦意高揚、思想統制の道具とされてしまったことを受け、再び国民歌謡の初心に戻って始められた番組が『ラジオ歌謡』だった(wikipediaより)。

就職や進学のために田舎から大都市へ出ていく若者が増え始めた時代。
ふるさとの野山に白い花が咲く、その季節は春でしょうか。
お下げ姿の少女。初恋。
告白すら出来なかった甘酸っぱい恋の想い出。
白い花は、そんなそれぞれの想い出に咲く花なのですね。
そしてこの歌を聴くたび、「白い花」「白い雲」「白い月」はふるさとの景色として、郷愁を誘うのですね。

この曲を始めて知った時に、なんと寂しく美しい歌なのだろうと思いました。
唄ってみると、感情の抑揚に沿った、美しい日本語のアクセントに沿った、自然な流れのメロディーが紡ぐ世界観が歌詞の世界とマッチし、なぜか涙が込み上げて止まりませんでした。
愛や恋、惚れた腫れたを唄う歌は多くあれど、初恋をうたう「白い花の咲く頃」は心のスタンダードなのです。

レコーディングの時は、唄い込んでいる曲でもあったので、とてもスムーズな録音でした。
レコーディングは曲順ではなく、楽器の数が多いものから進めて行きましたので、この曲は中盤頃の出番で、やっとここまできたな〜という安堵感もありました。
メロディーの部分で、半音に移動する箇所がいくつかありますが、その半音をきちんと半音移動するのが、この曲のミソなのです。ここをきちんと表現することが、さらなる哀愁感を増してくれています。
作曲家の先生のこだわりを感じます。

MIYAKOは、アルバムのタイトル曲でもありますので、責任感にも似た思い入れの強い曲なので、やはりライブでは必ず唄っています。

EXCELLANDのコーラスもまた、シンプルでやさしく、大好きなコラボレーションです。

 

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ヴォカルグループ・エクセランド

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