自分にも同じような経験があったからこそ、人を見て感じることが
あります。
何かひとつのことだけに夢中になったり、のめりこんでしまうと、
まわりが見えなくなってしまうことがあります。
『自分は正しい』
ということが常に大前提としてあるので、思考の中心がそこにあり、
物事の考え方、答えのすべてをそこに結びつけてしまう。
自分の思考の丸の中から描いた円の中でしか、物事を考えられない。
企業でも同じことありませんか?
話を戻します。
たとえば、友達が悩んでいるとしましょう。
悩みは原因は人それぞれいろいろあるにも関わらず、その人にアド
バイスをするとなった場合、真っ先に自分の考え方や実践している
方法こそが正しいと主張してしまう。
傾聴という言葉がありますが、相談相手の話を聞くより前に持論を
述べるのです。
相談相手からしてみれば考え方の一つを聞いた、参考にしてみよう
という捉え方であったとしても、熱弁を振るった側にしてみれば、
もう解決策や結論を教えてあげた感じになっているのです。
アドバイスをしてあげるのはいいのだけど、その人がその考え方を
受け入れなかったら、とたんに陰で悪く言ったりしてしまう。
そうしないことには、自分の自尊心が傷つくからです。
しまいには、
「私はこう言ったのに、こうしなかったからうまくいかなかった」
と決めつけたり、エスカレートしていきます。
その丸の中に入り込んだ人は、まわりが見えなくなっているのです。
冷静な人からは、度がすぎると映りますから、「洗脳されている」
と思われ、やがては、本人が敬遠されていくわけです。
丸の中に入って気づかないでいると、何かの弾みで悪気はなくても
他者を否定することが癖になってしまっているので、上から目線に
なったりして、それまでいい関係だった間柄に、些細なことでヒビ
が入ってしまいます。
「あの人、最近、人が変わったね』
と言われるのも、そういうところからではないでしょうか。
とても残念だなと思います。
笑い話ですが、朝の人気番組で一世風靡した「みのもんたさん」が、
『大根はカットされているものを買うのが良い』と紹介した日には、
スーパーマーケットのカット大根が飛ぶように売れたとか、いくつも
逸話が残されています。
みのもんたさんに洗脳された(笑)主婦たちは、一目散にスーパーに
向かい、隣の奥さんにもお嫁さんにも、いかにカット大根がすごいの
か、とにかく力説するのです。
もちろん、売れたのはカット大根だけではなかったですが、あの番組
の影響力はすごかったですね。
純粋な人ほど自分が良いと思ったこと、感動したことに対しての信心
は深いものです。
でも、世の中には、いろいろな考え方の人がい㋸ことも忘れてはいけ
ません。
助けを求められていない限りは
常にニュートラルにその人の立場に立って考えてあげる
相談する人は自分の背中を押してもらいたいのであり
自分の考えが正しいかどうかを知りたいのであり
ただただ話を聞いてもらいたいのであり
寄り添ってもらいたいだけなのかもしれない
Happyになれるように
そのことだけを考えてあげたらいい
だから、求められても、謙虚になる事が大切なのだと思いました。
私でしたら、そういうケースで
『考え方の一つとして、参考にしてみていただけたら
嬉しいです』
とお伝えするようにしています。
あと、同じようなことで、人をとても傷つける言葉があります。
終わったことに対して
『なんでそうしなかったの!』
『あ〜私はそうなると思っていたのよ!』
と、後出しジャンケンする人も多いのですが、それはどうでしょう。
それでも何かを言いたいのであれば、次にそうならないための
解決策を一緒に考えてあげるのが、本当の優しさだと思います。
終わったことに対していうということは、
傷口を広げるだけで、何も解決しないと思うのです。
不安を掻き立てるような言葉や表情をされると、本当に悲しい。
ましてや『多分この人はそういうだろうな』という予感が的中
してしまった時は、ガッカリというか、胸の奥に重たいものが
どーんと残ったままで、さらに気が重くなります。
その人のこと本気で思うなら
家族になる覚悟じゃないとできないことだってあります。
簡単なことではないのです。
寄り添ってあげるだけでもいいのです。
何かをしてあげたなんて、おこがましいだけです。
また、大切なことに気づかせていただきました。
感謝。