今回、ニューヨークでいろんなデザインを見て回りました。
建築、インテリア、アートなど、目に映るすべてを焼き付けました。
大学を卒業したあとに就職したデザイン会社で私は、3ヶ月目から
アメリカ出張、買い付けなどを担当させてもらいましたが、当時の
懐かしい訪問先あたりを歩いていたら、いろいろな思い出がフラッ
シュバックしました。
あのときのニューヨークのにおいとか、温度とか、地面のデコボコ
加減とか、重たいドアとか、壊れたエレベーターとか、薄汚れた窓
とか、幾重にも塗り重ねられた窓枠とか、いつまでも終らない工事
だらけの街並とか。
ニューヨークの象徴といえるこの街、42nd. Street.
タイムズスクエアは、いまやデジタル広告に埋め尽くされていて、
なんとなく、あくまで私個人の感想ですが、深みがないというか。
血が通っていない、クールな印象でした。
あの頃の面影はないけれど、まだ一本入った通りや建物は健在で、
そのミスマッチもまた、この街の魅力なのだと感じました。
セントラルパークから5番街を眺めると、The Plaza Hotelの並び、
優雅な佇まいのEssex Hotelとかは、絵ハガキにもなるほどの景観
でしたが、いまやどこかのアジアの先進国のような、ガラス張りの
超高層ビルがビルの隙間を埋めるかのようにニョキニョキ。
情緒が失われて行くのは淋しいことですが、時代に付いて行かなけ
れば、この街もまた、魅力を失うのだと思ったり。
ニューヨークは1900年〜1920年代には、すでに今の街並が完成して
いました。
象徴的な建築物である、エンパイヤステートビル(1930年)、クライ
スラービル(1928年)、アイアンフラットビル(1902年)、グランド
セントラルビル(1913年)などはその頃から姿を変えていません。
地下鉄などのインフラは1904年に開通。
日本は1900年が明治33年ですから、そう考えると、いかに近代的で
あったかがわかります。
グランドセントラル駅は、何度も取り壊しの危機にさらされましたが、
権力者達の力添えと裁判での闘いに勝ち、いまでも残っているのです。
でも、本当に不便なこともいっぱいあるし、現在の設備を取り入れる
にも建物の構造が異なるとか、色んな問題がある。でも、それ以上に
大切なことがあるという価値観が根付いているのが凄いと思います。
地下鉄の切符買うのにも、本当に忍耐がいりますからね。
ちなみに、ニューヨーク最古のレストランPete’s Tavern(今回ブラ
ンチしたレストラン)は、1864年開店。
日本は文九3年!
そのあと慶應、元治、明治と続くのですよ!
もう、どうですか!本当にすごい勢いだったのでしょうね。
まあ、日本も戦後の高度成長期がありましたから、それはものすごい
発展がありましたが。
こういうものを今でも大切にしていく姿勢、それは本当に尊敬すべき
ものだと感じます。
壊すのは簡単だけど、元には戻せないもの。
こちらはWhole Food Marketの楽しい陳列棚。
さすがに、Pop Artにもなったこの世界も、かなりアニメ的な要素が
入り込んでいるなと思いましたが、単純にアメリカンデザイン好きの
私は、見るだけでも楽しかったです。
最後に登場するのは、きっと食べることが目的ではない、ケーキたち!
食べたら、舌に着色しそうな、思い切り甘ったるいアメリカのケーキ。
実際、お砂糖がじゃりじゃりしてる感じです(笑。
たくさん目が付いているのが、特徴ですね♪
感じたこと、記録代わりにしたためてみました。